(2024/08/01)
先月、東京都知事選挙がありました。結果は現職の小池百合子氏の圧勝でしたが、知名度の高い蓮舫氏を抑えて、2位に躍進した石丸信二氏が注目された選挙でもありました。
投票日間際になっても、私は支持したいと思える候補者がいなくて、誰に入れようか考えあぐねていました。
そんなときにXで流れてきたのは、AIエンジニア安野たかひろさんの妻の演説動画。「結婚して10年、彼から他人の悪口を聞いたことがない」と語っていたのです。そんな人が都知事に?!という驚きと同時に好奇心が刺激され、安野さんのことを調べ始めました。
安野さんは東大卒の33歳。AIエンジニアにして、起業家でSF作家。一貫性のない仕事に見えますが、共通しているのは「テクノロジーを通じて未来を描く」活動であること。システムを改善して、よい社会をつくることに興味がある人なのだとわかりました。
政策のスローガンは【テクノロジーで誰も取り残さない東京へ】各界に精通するプロフェッショナルが集まって作成した、骨太で具体的なマニフェストは、早稲田大学マニフェスト研究所から、他候補者に大差をつけて高く評価されていました。
しかもマニフェストを学習させた「AIあんの」を使って6000人以上の有権者と対話することで、選挙期間中に民意を反映したマニフェストにアップデートしていきました。生身の人間では成しえないことを、AIを使ってやってのけたのです。
選挙ポスターの掲示板は、離島を含め都内に約1万4000カ所あります。支持基盤がなければ全て貼り切るのは至難の業で、業者に頼めば1000万円もかかるそう。チーム安野はテクノロジーを使って「掲示板マップ」を作成して貼られていない箇所を見える化し、支持者の力でコンプリート。これを成し遂げたのは、小池氏と安野氏2人だけでした。
チーム安野が共有していたのはクリーンな選挙で、他の候補者をおとしめる発言や行動をしないこと。正面から愚直に東京をよくするための政策を有権者と一緒に考え、ネットや街頭で訴え続けました。その結果として15万票を集め、5位となりました。無名のスタートから15万人の支持を得たのは、すごいことです。AIを駆使した双方向の施策は、新時代の可能性を感じました。
さらに「AIあんの」 「掲示板マップ」はオープンソース化して、誰もが使えるようにすると公言しています。チーム安野メンバーの振り返りブログには、何に困ってどう乗り越えてきたのかまとめられていて、地盤看板カバンがなくても、誰もが出馬しやすい下地作りまでしているのです。
そしてチームメンバーのブログには、こう記されていました。「彼は人の上ではなく、人の真ん中に立つリーダーシップ」まさにアクエリアス時代の新しいリーダーだと思いました。新時代のエネルギーは確実に強くなっていますね!
私は、誰もが安心して暮らせる社会をつくることに興味があります。その基盤があってこそ、ぐっすり眠れるのだと思っているからです。安野さんはじめ、それに続く人たちが活躍する日が近く訪れることを願っています。
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