(2016/02/01)
急激な温度変化により、血圧が大きく変動することで起こるヒートショック。心筋梗塞や脳出血、脳梗塞を引き起こしやすく、最悪の場合は突然死に至ることも。年間1万人以上の人がヒートショックで亡くなっていると言われ、これは交通事故死の2倍以上になるそうです。
ヒートショックが起こりやすいのは、入浴のときというのは、みなさんもよくご存知でしょう。寒い脱衣所と、熱い湯船との温度変化が原因です。意外と知られていないヒートショックを起こしやすい場所、それは寝室です。
睡眠中の布団の中は、約33℃を保っています。トイレに起きたときに、寝室の温度が10℃であれば、その温度差は23℃にもなります。トイレがもっと寒ければ、温度差はさらに大きくなります。
ヒートショック予防のためには、寝室は18℃以上を保つことが推奨されています。日本では、寒さは寝具や着るものを増やしてしのぐ風習がありますが、着衣の圧迫や寝具の重みで負担がかかり、これでは熟睡できません。
快適な室温を保つために、オイルヒーターやパネルヒーターなどの暖房器具をつけて眠りましょう。エアコンを使う場合は乾燥するので、加湿器も合わせてつけましょう。
室内の寒さは床から伝わってくるイメージがありますが、実は一番の原因は「窓」にあります。冷たい窓ガラスに室内の暖かい空気が触れて急激に冷やされると、その冷気が下に流れてきます。これをコールドドラフト現象といい、このことが室内で寒さを感じる大きな原因なのです。
根本的な対策としては複層ガラスにしたり、内窓を取り付けることです。中でも、Low-E金属膜をコーティングした複層ガラスは断熱性にすぐれていて、冬は暖かく、夏は太陽の熱線を遮断して涼しく過ごせます。
手軽にできる対策としては、厚手のカーテンを床につくまで掛けたり、窓の近くにヒーターを置くことがあります。とくに窓下専用のヒーターは温かい上昇気流をつくるので、コールドドラフト現象と窓の結露対策にもなります。カーテンで対策をすると窓が結露しやすくなるので、窓に結露防止シートを貼ることも、合わせて行いましょう。こうしてコールドドラフト対策をしておくと、暖房費を抑えることができますし、室内の温度にムラが少なくなるので、快適に過ごせます。
そして、冷気は床にたまるので、敷き寝具の工夫も行いましょう。敷き布団やマットレスの下にアルミシートを敷いたり、上に毛布を敷くと保温性が高まります。
掛け寝具を増やしすぎると、寝具の重みで体が圧迫されて、血行が悪くなってしまいます。掛けるものは2~3枚にして、あとは敷くものと、窓の断熱、暖房器具で睡眠環境を整えて、冬もぐっすり眠りましょう。
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