(2015/12/01)
世界的な調査によると、日本人の睡眠時間は大人も子どもも、世界屈指の短さです。とくに日本の女性は、世界で一番短いことが知られています。 「すぐに子どもが眠ってくれたら、どんなに助かることか……」 仕事に、家事に、子育てに奮闘している、ママとパパの切実なる願いではないでしょうか。
そんなママ、パパの救世主となる絵本が、 『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』というタイトルで、11月13日に飛鳥新社から発売されました。これはイギリスのテレビで紹介されたことがきっかけで、現在、世界的ベストセラーになっている絵本の日本語版です。
スウェーデンの行動科学者によって書かれた本書は、「子どもがなぜ寝たくない気持ちになるのか」を徹底的に研究し、自然に眠くなるように構成しています。構想には実に3年を費やしたといい、「ここを強調して読み、ここであくびするように」などの、細やかな指示が入っています。
これまでの「おやすみ絵本」とは一線を画す、科学的理論にもとづきながら子どもを眠らせることに徹した、斬新なアプローチです。
実はこの絵本、私が日本語版の監訳をしました。一番最初は、出版社から手渡された下訳を音読しながら内容を確認していったのですが、絵本の世界に感情移入しながら読んでいたら、途中で眠たくなって、最後まで読み切ることができませんでした。その時点で「これはすごい!」と効果を実感しました。
英語の原文と照らし合わせながら、下訳をブラッシュアップしていったのですが、心理学的効果を高めるために原文自体が独特な文章なので、訳するにあたり、とても苦労しました。
出張や引っ越しが重なって、時間をとるもの大変でしたが、担当編集者から「これは100年続く絵本です」と言われていたので、監訳にも力が入りました。最後は編集者と夜9時まで読み合わせをしながら、 「これで完璧!!」と思える日本語訳が完成しました。
絵本のストーリーは、こうです。 なかなか眠れない子どもうさぎロジャーが、誰でも眠らせことで有名なあくびおじさんに会いに行きます。その途中で出会うカタツムリや、フクロウからも、眠くなる秘訣を教わりながら進行していきます。
この絵本は、まず、文章の表現をすでに達成している形にすることで、眠りに落ちるアファメーション効果を高めています。そして、「もっと、もっと」「ゆっくり、ゆっくり」と繰り返すことによって言葉のパワーが強くなり、より自己暗示にかかりやすくなります。
また、人はリラックスしているとき、手足は重く温かく感じ、呼吸がゆったりしているという特徴があります。その状態を意識的に作りだす“自律訓練法”というメソッドも自然な流れで入っています。
子どもが眠らない原因の一つは、いろんなことを考えてしまうことです。子どもの頭の中の考えが、読み聞かせをしながら、眠りに効果のあるストーリーにスッと入れ替わることで、実際に眠りに落ちてしまうのです。
ほかにも数々の心理学的アプローチがちりばめられていて、その効果は折り紙つき。英アマゾンのレビューでは、
本当に言葉がありません! 2~3時間かかっていた寝かしつけが、12分で終わってしまいました!!
うちの息子は、3分ぐらいであくびを始めて、10分後には熟睡しました。
などなど、喜びと感動の声が多数寄せられています。
本書は発売2週間で15万部を突破!今後、さらに話題になること必至です。寝かしつけに奮闘する忙しいママ、パパの役に立って、お子さんが睡眠を楽しむきっかけとなってくれると嬉しいです。
『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)
クリスマスプレゼントにもおすすめです!
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