top of page
執筆者の写真三橋美穂

77. ダニ対策は、乾燥・吸引・洗濯!

(2015/04/01)



アトピーやぜん息の原因となるハウスダスト。小さなホコリのようなイメージですが、この中に含まれるダニの死骸やフンがアレルギー原因のトップです。

ダニは高温多湿を好むため、布団はダニの温床となりやすく、布団やマットレス、枕にいるダニの数は実に10万匹以上と言われています。これを知って、私はLEDライトつきのハンディ顕微鏡を買って、寝具をチェックしてみました。アレルギーの原因となるチリダニは、体長が0.3~0.4mmと非常に小さいため、肉眼では見えないからです。

しかし、ザッと見た限りでは、ダニを見つけることはできませんでした。わが家にはダニが少ないのかと思いきや、違いました。ダニは暗いところを好むので、布団の中に入り込んでいるのです。

最近人気がある、布団クリーナーも試してみました。吸い取ったホコリの中にダニはいるのか、顕微鏡でチェックしてみましたが、見つかりませんでした。ダニの恐怖をあおっているだけかと思いきや、これも違いました。クリーナーで吸い取る過程で、ダニは粉々になって形をとどめないのだそうです。専門機関に吸い取ったホコリを送ると、その中には必ずダニの死骸が含まれており、何匹いるかは頭の数をカウントして調べるとのこと。住まいには必ずいるダニとは、うまく付き合っていくしかありません。

ダニは温度20~30℃、湿度50~75%で最も繁殖するので、梅雨時から夏にかけて、どんどん増えていきます。温度50℃以上、湿度50%以下で死滅するので、天日干しをしたり布団乾燥機をかけて、できるだけ乾燥した状態を保ちましょう。これからの季節、湿度が上昇してきたら、寝室に除湿機をかけておく工夫も大切です。

干したあとは、掃除機でダニの死骸を吸い取ります。フケやアカがエサになるので、枕を中心に掃除機をかけましょう。また、ダニが卵からかえるのに1~2週間要します。週に一度は、カバーやシーツの洗濯をしましょう。ダニのフンは、水に溶けやすい性質をもっています。

生きているダニよりも、実はダニの死骸やフンの方が問題です。生きているダニは、体の中に水分があるので比較的重たく、直接吸いこむことはないのですが、乾燥している死がいやフンは次第にパウダー状になって、ホコリといっしょに吸いこみやすいからです。

ダニが増えるのは夏ですが、気をつけたいのは秋。ダニの寿命は2~3カ月なので、繁殖したダニが寿命を終え、秋になるとダニの死骸がたまっていきます。

冬布団を押し入れから出す時も、よく干して、掃除機をかけましょう。押し入れやクローゼットの中は湿度が高いので、そのまま使うと夏の間に繁殖したダニの死骸やフンを吸い込んでしまいます。

ちなみに布団をしまっておくときに、布団圧縮袋は使わないようにしてください。長期にわたると、布団が元通りに膨らまなくなります。通気性のよい袋に入れて、湿気の少ないところにしまいしましょう。

布団カバーで、ダニが布団の中に入り込まないタイプもあります。非常に細い糸を使って、高密度に織っているので、繊維間のすき間がほとんどなく、ダニが出入りできない構造になっています。

ダニ対策の基本は、布団をよく干し、乾燥させて掃除機をかけることと、週に一度はシーツやカバーを洗うこと。花粉症の人は、ハウスダストがアレルゲンのことも多いので、睡眠時に症状がひどくなる人は、しっかりケアを。清潔な環境で、気持ちよく眠りにつきましょう。


Comments


bottom of page