(2014/08/01)
暑くて眠れない、エアコンで冷えてしまって体がだるいなど、夏は上手く眠れないことに、多くの人が悩んでいます。 なぜ夏になると寝苦しいのかといえば、日本の夏は高温多湿で汗が蒸発しにくく、体温が下がらないからです。熟睡するためには、内臓や脳の温度を下げる必要があります。
布団の中の温湿度のことを寝床内気候(しんしょうないきこう)といい、温度は体温よりやや低い約33℃、湿度40~60%が快適です。 これは一年を通して変わらず、体温より少し低い温度。室温が低い冬は暖かい布団を掛けて33℃を保ち、高い夏は掛けるものを薄くして温度を調整しています。
問題は湿度で、春・秋・冬は40~60%に収まりますが、夏は80%を超えることも。特に背中が蒸れることが、途中で目覚める原因になります。
これを解消するためには、 1、エアコンと扇風機で、寝室の温湿度を調整する 2、涼しい寝具とパジャマを使う
この2つを上手に組み合わせることがポイント。 特に敷きパッドを工夫すると、エアコンの温度設定を 高めにしても、快適に眠ることができます。
私が実際にどうしているかといえば、
【エアコン】 ・就寝1時間前に25℃で入れて、寝室を冷やす ・就寝時に29℃に変更 ・明け方の最低気温が25℃以上のときは、午前3時に切れるように設定 ・最低気温が27℃以上のときは、朝まで29℃で連続運転
エアコンの使い方のポイントは体温リズムにあります。 眠り始めは体温を下げるために汗をかくので、室温は涼しい方が快適です。そして、その後は高めに変化していくと、一晩の睡眠が安定します。
枕元に温湿度計を用意して測ったところ、途中で目覚めずに眠れる温度の上限が、私の場合は29℃でした。私は冷え性で冷房が苦手なので高めです。温度の感じ方には個人差がありますが、寝具を工夫すれば27~29℃で眠れるはず。エアコンを入れると、部屋の湿度も下がります。
最低気温は「熱中症予報アプリ」で確認しています。私は都内のマンションに住んでいて、窓を閉めて眠るので、室温は外気温より高くなります。上記の外気温を目安に、タイマーの使い方を判断しています。
最近のエアコンは、インバーター制御で運転が細かくコントロールできるようになっているので、高めに設定すれば、冷え過ぎることはありません。
扇風機を使うと体感温度が下がるので、冷房が苦手な人は組み合わせてみましょう。天井か壁に向けて首振りにし、リズムモードの微風で、ゆるやかに寝室の空気を循環させるようにします。皮膚の表面を風が通るときに、熱が奪われて涼しく感じます。
【寝具とパジャマ】 ・敷き寝具: 空気が通る立体構造の敷きパッド&麻シーツ ・掛け寝具: ガーゼケット ・パジャマ: 綿の楊柳(七分袖&長ズボン) ・抱き枕
夏の寝具で一番重要なのは、敷きパッドです。 空気が通る立体構造のものや、い草、竹、麻(生地も中綿も麻)などがおすすめ。敷きパッドを季節に合わせて変えると、一年を通して快適に眠ることができます。
逆に気をつけたいのは、敷きパッドの中身にポリエステル綿が詰まったもの。たとえ表面に麻や接触冷感生地を使っていても、敷き寝具が背中とピッタリ密着していれば、しばらくすると蒸れて暑くなってきます。
上掛けは、タオルケットより「ガーゼケット」がおすすめです。軽くて柔らかく、通気性もよいので、内側に熱がこもりません。洗濯の乾きが早いところも、うれしいポイント。
暑いからといって、タンクトップにショートパンツでは、何かの拍子で上掛けが外れたときに、冷えてしまいます。明け方に足がつる原因は、冷えと水分不足。就寝前に適度に水分補給をして、足は冷やさないように、長ズボンか七分丈を選びましょう。
楊柳(ようりゅう)生地とは、縦方向に細長いしぼのある織物。肌に触れる面積が少ないのでベトつかず、夏のパジャマに向いています。私が愛用しているパジャマは薄手なので、着用感が軽くて涼しく、洗濯してもすぐに乾きます。
抱き枕を使って横向きに寝ると、汗をかきやすい背中、わきの下、ひざの裏、脚の間にすき間ができて、暑さをしのげます。体圧も分散されるので、体の力が抜けやすく、リラックスして眠れます。見た目のボリュームがあるほうが、しっかり抱けるような印象を持ちますが、実際に使ってみると、やや薄い方が抱きやすいことがわかります。長さは、しっかり体をあずけられるように、120cm以上のものを選びましょう。
抱き枕は手作りすることもできます。しまってある肌掛け布団をクルクル丸めて、ひもで結べば出来上がり。簡単に作ることができます。
エアコンと寝具・パジャマをトータルで考えることが、夏の睡眠環境を整えるポイントです。ぐっすり眠って、暑い夏を乗りきって行きましょう!
※最新の夏の睡眠法はこちら
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