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執筆者の写真三橋美穂

47. シルクのやさしさに包まれて眠る

(2012/10/01)



先日、砂山靴下社から、三橋プロデュースのシルクのおやすみ小物シリーズ「nelne(ネルネ)」を発表しました。腹巻きや、レッグ&アームウォーマー、着圧ハイソックス、ピローシートなど、全9点のアイテムがあります。

私は元々シルクが好きで、インナーや靴下、マスクなど、肌に触れるものは好んでシルクを使っていました。そして、シルクは睡眠にも適した素材です。

睡眠中はコップ一杯分、約200mlの汗をかきます。とくに眠り始めは深部体温を下げるために発汗量も多くなるので、肌に身につけるものは、吸湿性と放湿性にすぐれていると快適に眠れます。その点、シルクは理想的な素材。吸湿性は綿の1.5倍といわれ、さらに放湿性もよいので生地がベタつくことなく、いつでもサラッとしています。

また、熱帯のインドでも、極寒のシベリアでも、どんな気候の地域においても、ほんの数ミリの繭のシェルターが、中の蚕を護っています。このシルク特有の天然エアコン効果が、夏は涼しく、冬は温かいという特性をもたらし、0.5~1度もある睡眠中の体温変化を、やさしくサポートしてくれます。

睡眠中には約20~30回の寝返りをしていますが、ここでもシルクは役立ちます。身にまとうものが重いと、寝返りするのに負荷がかかりますが、シルクは軽いので楽に寝返りが打てるからです。

さらに、シルクのセリシンというタンパク質は人の肌成分と近いので、肌なじみがよく、触れたときに気持ちよく感じます。この気持ちのよさによって、副交感神経のレベルが上がり、休息や入眠がしやすくなります。

そしてシルクの保湿効果が、みずみずしい肌の再生をサポート。睡眠中には、新陳代謝を高めて肌のターンオーバーを促す成長ホルモンが分泌されますが、シルクを使うと、ダブルで肌の潤いアップが期待できます。

この睡眠に最適なシルクを使った「nelne(ネルネ)」シリーズですが、これからの季節に一番お勧めなのは「おやすみ腹巻き」です。肌に触れる生地はシルク95%、外側には保温性の高いふわもこ生地を使いました。薄手のお布団を巻いているようで、それはそれは温かいのが特長です。

眠るときにまず温めるべきは内臓。身に危険を感じたときに、私たちは無意識にお腹を護ろうと身構えるように、内臓は生命にとって最も大切な場所。ここが温かくて初めて、全身に血液がしっかりと循環し始めます。

次に温める場所は、首、手首、足首。太い血管が皮膚の表面を通っているので、冷えやすい場所だからです。特に足首は心臓から遠いので、しっかり温めると疲労回復効果が高まります。

商品開発中だったので、私は夏もレッグウォーマーをして寝ていましたが、これが思った以上によかったのです。ガーゼケットを1枚掛けて寝ていましたが、暑くて足が出ていることもしばしば。レッグウォーマーをしていると、足の冷えを防ぐことができ、目覚めたときの身体が軽く感じました。

寝つきに悩んでいる人にお勧めなのは、電子レンジで温めて使う「ホットマスク」と、冷蔵庫で冷やして使う「クールマスク」。温める場所は、首の後ろ側。パソコンや携帯、料理など、私たちは前傾姿勢になることが多く、4~6kgもある重い頭部を支える首の負担は相当なものです。美容院で首にホットタオルを当ててもらうと気持ちよくてウトウトしてしまうように、就寝時に温めるとぐっすり眠れます。

冷やすポイントは頭。後頭部か額に、クールマスクを当てます。特にいろいろ考えすぎて眠れないとき、脳の温度が下がらないので、頭を冷やすと眠りやすくなるのです。

このクールマスクとホットマスク、実は同時に使うのがお勧めです。

「温めながら、冷やす???」

とよく言われますが、実際にやってみると露天風呂に入っているような気持ちよさで、意識がフワッと遠のいていきます。濡らしたタオルでも代用できますから、試してみてください。

そのほかのアイテムは、「アイマスク」「着圧ハイソックス」「おやすみ手袋」「ピローシート」。寝ている間にシルクに触れて、キレイになりましょう。心地よい眠りをサポートする「nelne(ネルネ)」、みなさんに気に入っていただけるとうれしいです。

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