(2012/05/01)
最近、スマートフォンを見る姿勢が、ストレートネックを助長しているという記事を目にしました。確かに電車に乗ると、7割くらいの人はスマートフォンを見るためにうつむいていて、首の後ろが伸びています。パソコンをするときも、特にノートパソコンは、前傾姿勢になりやすく、ストレートネックに注意する必要があります。
ストレートネックとは、文字通り「まっすぐな首」。本来ゆるやかにカーブを描いている首が真っすぐになるので、5kgほどある頭の重さを支える首の筋肉や、脳と体をつなぐ血管や神経に大きな負担がかかります。それによって、肩こり、首の痛み、頭痛、めまい、手のしびれ、吐き気などを引き起こします。
みなさんは、自分の首の長さはどれくらいだと思いますか? 鏡に向かって首を正面から見ると、あごの横から肩までが、首だと思うのではないでしょうか。しかし、首は意外に長いのです。首には7つの骨があり、一番下を第7頚椎といいます。首を前に倒したときに、大きく出っ張るところです。そして首の始まりの第1頚椎は、ぼんのくぼ(後頭骨下のくぼみ)のあたり。
ストレートネックは首の動きが悪くなるので、背骨の上に首の7つの骨が、下から順に積みあがっていることを意識しながら、姿勢を時々チェックしましょう。壁に背をつけて自然に立ったとき、後頭部と肩甲骨、お尻の3か所が、すんなり壁につかなければ、ストレートネックの可能性が高いといわれています。
また、無理がない程度に首のカーブを保てるよう、枕は低めのものを選びましょう。枕が高いと、頚椎が伸びてしまうからです。奥歯の噛み合わせが解放され、首の緊張がゆるんでいるかどうか、チェックしましょう。自分の頭・首にあった枕を見つけるためには、まずクルクル丸めたタオルを首の下に、平らに畳んだタオルを後頭部の下に敷いて、試してみましょう。
首・肩に不調があるときは、ぼんのくぼを温めると楽になります。私も長時間パソコンに向かった日は、このあたりが硬くなっているのがわかるので、ホットパックで温めながら横になると、ぐっすり眠れます。
首には、太い血管やリンパ管、気管、神経、食道などが、通っていて、そのうえ重い頭を支えながら、複雑な動きをしています。「首が回らない」「鬼の首をとる」と表現されるように、首は生命に直結した部分です。日中と睡眠中の姿勢に気を配りながら、首の健康を保つように心がけましょう。
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