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執筆者の写真三橋美穂

34. 分離から統合の時代へ

(2011/09/01)



陰陽思想とは、東洋思想の根底にある、森羅万象をつかさどる思想のこと。 陰陽は相反するエネルギーを持つと同時に、お互いを惹きつけ、補完しあう性質を持っています。

例えば、男と女、西洋と東洋、太陽と月、火と水、天と地、奇数と偶数、表と裏、肉体と精神、・・・等々。白と黒の勾玉(まがたま)が融合しているような“大極図(たいきょくず)”をイメージすると、わかりやすいでしょう。

これまで約2000年間続いた、うお座星団のエネルギーの影響を強く受けてきた時代は、“分離の時代”でした。個を育てるために、他の人より秀でることが是であり、そのことを周囲からも望まれ、一人でがんばり、組織のトップに立つ人は、俺についてこいタイプの強引さが必要でした。まさに極端な陽性タイプです。

対極図でいうと、白(陽性)にだけ焦点が当たり、白の面積をいかに増やすかに、意識を注いできたのです。そして、自分と他人との分離を生み、自分が優位に立つためには他を排除し、争いも生まれました。

今、始まろうとしているアクエリアス(みずがめ座)時代のエネルギーは、“統合の時代”へと動きます。自分と他人との境目がなく、周囲の人たちのことを自分のこととして思いやれること、そして同じ目線に立って一緒に考えられることが、必要とされる資質です。

自分さえよければというあり方からくる行動をとっている人や組織は、もう時代遅れになっていくでしょう。陰性タイプが持つ思慮深さや謙虚さ、意識の広がりと、陽性タイプが持つ明るさや瞬発力を兼ね備えていることが、これからのリーダーの資質です。

世界の人たちに歓ばれるにはどうしたらよいか、世界がバランスよく機能し、エネルギーが循環していくにはどうしたらよいか、地球の未来のために、今なにをすべきだろうか、そういう大きな視点から考え、行動できる人が、統合の時代=アクエリアス時代に成功していくでしょう。

陰と陽、この2つのバランスが取れていること。これは昼の活動(陽)と、夜の睡眠(陰)に関しても同様です。昼の活動と夜の睡眠は、光と闇のように呼応する存在です。光は闇なくしては、存在することができません。そして、その闇が濃ければ濃いほど、光は輝きを増します。

私たちは昼の活動に焦点を当て、活動によって何かを得ることばかりに意識を注いできました。活動に焦点を当てていますから、考えることは「睡眠をどれだけ削れるか」。これは、典型的なうお座型の思考パターンです。

活動によって得たいものが、個としての自分が欲しいものであれば、それを手にしても、大した満足は得られないでしょう。すぐに、また別のものを手に入れたくなるからです。

拡大した意識の自分が内側の人生の質としての欲しいものを、手にした時の満足は計りしれないでしょう。それは深い質のものだから、達成も大きいものになります。そして、そのプロセスに取り組んでいる自分自身を認識することによって、精神的な成長を遂げることができるのです。

拡大した意識の自分、それは睡眠中の自分でもあります。

肉体を脱いで、メンタル体(思考体)とアストラル体(感情体)は宇宙とつながりあっているからです。洋服やバッグなど、他の人からよく見られるために注いでいるお金や意識を、睡眠に向けてみませんか。

誰に見せるわけではなく、自分を大切にするために買った枕やパジャマは、静かな満足と歓びをあなたに与えてくれるでしょう。 自分自身を大切にできる、そこから豊かな世界が始まります。

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