(2011/04/01)
東日本大震災から3週間。先日、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏がゲスト出演したラジオ番組を聴きました。飯田氏は京都大学で原子核工学を専攻した後、電力関連研究機関で原子力を研究していました。原子力を研究すればするほど、これは人間が扱えるものではないと思い至り、その後研究対象を自然エネルギーに転換された方です。
飯田氏いわく、今起こっている、原子力発電や火力発電(石炭・石油)から、再生可能な自然エネルギーへの世界的転換の流れは、第4の革命と言われているそうです。
農業革命 → 産業革命 → IT革命 → 自然エネルギー革命
1997年に採択された京都議定書以降、CO2削減のための世界的な流れの多くは、再生可能な自然エネルギー(太陽光、風力、地熱など)へと向かいました。日本の場合は、電力会社の独占的構造が災いして、世界的には少数派である原子力を推進してきたのだそうです。
原発推進国と見られている中国でさえ、原発11基分の発電能力がある風力発電がすでにあるとのこと。永遠に石油を輸出し続けることはできないと認識しているアルジェリアは、海底ケーブル経由でヨーロッパに電力を輸出するための6,000メガワットの太陽熱発電所を、自国の広大な砂漠に建設する計画があるそうです。
世界の潮流から遅れをとっている日本も、今回の福島原発の事故で、方向転換をせざるを得ないでしょう。というより、ただの悲惨な原発事故で終わらせないためにも、転換しなくてはなりません。
番組の最後の方に、こんな質問がリスナーから寄せられました。 「自然エネルギーのデメリットを原発で補うのが、現実的ではないでしょうか」
その答えはこうでした。
1000年後、2000年後にも、この地球が存続していることを前提としたら、自然エネルギー以外に選択肢はないのです
自然エネルギー推進が成功している国々は、この基本的な合意があるのだそうです。飯田氏がまとめた電力シフトのイメージを見ると、2020年までに自然エネルギーを20%に、2050年までに100%にとなっています。
注目すべきは、2050年までに省エネ・節電で、電力消費を現在より約40%削減して、残りの約60%を自然エネルギーでまかなうということ。この自然エネルギー革命は、暮らし方を見直す革命=意識の革命ともいえます。製品をつくるときや購入するときには「これは地球の未来にダメージを与えないか」、持続可能かどうかということに、意識を向けていくのが自然になっていくでしょう。
すべての人たちにそのマインド(拡大した意識)が芽生えたとき、安心して暮らせる、平和で豊かな世界が見えてきます。「共存するにはどうしたらいいか」という考えが当たり前になったら、もう無駄な競争をする必要はないのです。安眠や快眠も、自然に手に入っているでしょう。
そして、その第一歩が、今、始まろうとしています。
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