(2010/12/01)
最近、眠れない人たちの相談を受けていると、経済的な不安が根底にある人が多いように感じています。
先日、電子書籍をダウンロードして読みました。勝間和代さんの本です。その中で、新幹線のグリーン車の乗客の男女比について触れていたのですが、およそ「男9:女1」なのだそうです。そして、その1割の女性の大半は、男性に払ってもらっているとのこと。
この例を用いて、女性の社会進出が進んでいないことに触れ、勝間さんいわく、女性が「二流市民」として扱われている現実から脱出するには、自分の仕事を持ち、「男性に庇護されたい」という発想を捨てるべきといいます。
よくグリーン車を利用することがある私は、統計的な男女比からみると、まれな存在であるのだと知りました。それと同時に、女性が社会進出することだけが、「二流市民」脱出の鍵なのだろうか、という考えも出てきました。それは、先日久々に会った専業主婦で40代の従姉が、とても幸せそうだったからです。
私が久しぶりに訪ねたことをとても喜んでくれて、リビングでのおしゃべりに花が咲きました。ソファーの横のポスターのようなものを指さして、「お土産でいただいたお菓子の包装紙に印刷されていたお人形が、あんまり可愛いかったから、ハサミで切って、自分で台紙に貼ったの」と言います。枯れ葉のイラストも上手く組み合わせて貼ってあり、ひとつの作品になっていました。
丁寧に作られていて、日々の暮らしの中に、歓びを見出している従姉が、とても可愛らしく、なんて素敵なんだろうと思いました。彼女は職業としての「自分の仕事」は持たず、直接的に金銭を稼ぐことで、経済的な自立はしていないけれど、とてもイキイキしていました。
ただ仕事を持つことだけが女性の自立ではなく、仕事を持つことによって、その家族や社会にどういうインパクトを与えるかが、大切なことだと思っています。専業主婦であっても、自分を取り巻く環境に歓びを見出せて、社会がその人の存在にふれ、価値を認めることができたとき、職業云々は関係ないのではないでしょうか。
女性の社会進出が進むとは、経済的なことだけではなく、精神的な満足や自立を伴うことだと思うのです。そしてそのことが、睡眠の質を高める根っこにあると、私は思っています。
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