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執筆者の写真三橋美穂

2. 静かな時間をもつ

(2009/01/01)



家に帰ると自動的にテレビのスイッチをつけている人や、眠る間際までつけっぱなしの人が、多いのではないでしょうか。以前の私がそうでしたから、よくわかります。私がテレビをほとんど見なくなって5年くらい経ちますが、その前後を比較すると、今は頭の中に静けさがあります。

静かになってみて初めて、それまで頭の中の思考が騒がしかったことに気づきました。姿が見えない小さな自分が、いつもいつも頭の中で、何かをささやいていたのです。

・お皿を洗いながら、   「あれをやってないなぁ~」   「あの人どうしてるかなぁ~」 ・人と話しながら、   「この人自分のことばかり話してるなぁ~」   「この人ってきっとこうだろう」 ・本を読みながら、   「全然頭に入ってこないなぁ~」   「ちゃんと理解しなくっちゃ!」 などなど

手や体は、今、目の前にある現実のことを扱いながらも、マインドは時として違うことを考えたり、連想されて出てきたことに反応して、エンドレステープのように頭の中を流れていたのです。もちろん、自分の頭がそんな風であることに、まったく気づいていませんでした。

あるセミナーで、エクササイズをやったときのことです。相手が支離滅裂な文章を読んだあとに、その人が言ったことをそのまま再生し、ノートに書くということを試しました。相手が話し始めた瞬間に、意味を理解しようとしたり、何かに関連づけて覚えようとすると、情けないくらいに書けませんでした。

聞いているあいだ中、私のマインドは「覚えなくちゃ!」と反応し、 「38人の次は緑色で…」 「えーっと、その次は…」 「あー、覚えられない…」 ・・・と、ささやき続けていたのです。

反対に、相手の話していることを音としてそのまま聞いていると、すらすら再生できました。そのときのマインドは、とても静かです。

テレビがついていたり、ラジオや音楽がかかっていると、自分のマインドのささやきが、かき消されてしまいます。そして頭の中がうるさいことに気づかないまま眠りに入り、睡眠中も騒がしい夢をみたりしているのです。

眠る前には静かな時間をもち、自分自身と向き合ってみてください。 平穏な心身の休息時間が、クリアーな明日のあなたを生み出すことに、気がつくでしょう。


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