(2020/04/01)
新型コロナウイルスの感染拡大で、首都圏では先週末に外出自粛の要請がありました。安倍首相からも感染拡大の防止は「長期戦になる」という見通しが示されています。
そんな中、ドイツのメルケル首相が行ったスピーチが素晴らしくて胸が熱くなった!と友人からメールが届き読んでみました。それは国民に新型コロナ対策へ協力を呼び掛けるもので、事態は深刻であること、第二次世界大戦以降最大の危機的状況で、国民による一致団結した行動が重要になると伝えています。
国民の皆さんがこの課題を自分の課題として理解すれば、私たちはこれを乗り越えられると固く信じています。
コロナウイルスに対する治療法もワクチンもまだありません。この状況が続く限り、唯一できることは、ウイルスの拡散スピードを緩和し、数か月にわたって引き延ばすことで時間を稼ぐことです。これが私たちのすべての行動の指針です。研究者が薬とワクチンを開発するための時間です。そのために必要なのは、公的生活を可能な限り制限すること。
と、メルケル首相。
具体的には、
・イベント、見本市、コンサートは中止 ・学校も大学も保育所も閉鎖 ・公園での遊びも禁止 ・会社に行かずに働ける人は在宅勤務 ・同居人以外のグループで出歩くことを禁止 ・握手はしない、頻繁によく手を洗う ・公共の場では人と1.5メートル以上の距離をとる ・感染の危険性が高いお年寄りにはあまり接触しない ・買い物、ジョギング、犬の散歩、通院など、生活に必須な外出以外禁止 ・飲食店はTake out以外すべて閉鎖 ・娯楽や観光施設はすべて閉鎖 ・他都市への移動は禁じられていないけれど、旅行目的の移動は禁止
そして、東ドイツ出身のメルケル首相はこれは苦渋の決断
だと続けます
「旅行および移動の自由を苦労して勝ち取った権利である私のようなものにとっては、このような制限は絶対的に必要な場合のみ正当化されるものです。そうしたことは民主主義社会において決して軽々しく、一時的であっても決められるべきではありません。しかし、それは今、命を救うために不可欠なのです」
まず第一の協力は、今日何が重要なのかについて一人ひとりが真剣に考えること。不必要な買い占めも「連帯意識に欠けた行動」と注意を促しています。医師や看護師をはじめとした医療施設で働いている人や、スーパーマーケットのレジ係や、商品棚を補充している人への謝意を述べ、私たち一人ひとりが社会に必要な存在なんだというメッセージも伝わってきました。
これまで約2000年間続いたパイシス(うお座)の時代は、個(物質)を育てることがテーマだったので、個を認識するために、自分と自分以外が分離している必要がありました。自分が生き延びるためには、生活必需品を買い占めたくなるのが自然な反応で、私たちはそのクセがついています。
これからのアクエリアス(みずがめ座)時代は、統合・共生がテーマです。新型コロナ問題は、全体性を意識した行動がとれるようにトレーニングするいい機会かもしれません。新薬やワクチン開発は研究者が取り組むのと同時に、人類の意識が一つに統合されることで、完成するのではないかと思っています。
メルケル首相のスピーチから数日後には、ドイツでは経済的な支援をするために、総額7500億ユーロの財政パッケージを実施すると発表されました。
とくに注目を集めたのは、フリーランサーや芸術家、個人事業主への支援で、「アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在」と文化相も断言し、大幅なサポートを約束しています。
経済的不利益を被る人への補助、文化の保護、そして民主主義への配慮、政府による説明責任の重要性に言及しつつ、国民に外出しないことを求めているため、国民は納得して自分の行動にも責任を持つでしょう。
こういうリーダーが世界に存在していることに、とても力づけられています。そして、私が記事をシェアした人からは、こんな返事をもらいました。
「メルケル首相のスピーチを拝見し、非常に勇気づけられました。美しい自然界のように、共生することが当たり前な世の中に変革する一つのチャンスと捉え、自立した人間として行動したいと思います。豊かな生命力あふれる世の中を目指し、今出来得る事を全力で取り組んでいきたいと思います」
“世界は一つの共同体”という意識が伝播している歓びで満たされました。その意識が拡大することで世界が一つとなり、豊かな睡眠に満たされるでしょう。
今回は、ドイツに在住している方のブログを参考にさせていただきました。 ◎Mikakoさんのブログ(メルケル首相スピーチ全文) ◎あいかずさんのブログ(ロックダウン中のミュンヘンの様子)
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