(2017/07/01)
先日、NHKスペシャルで「睡眠負債が危ない」という番組が放送されました。睡眠負債とは睡眠不足の蓄積のことを言います。わずかな睡眠不足でも、まるで借金のように積み重なっていくのが睡眠負債。例えば、本来7時間の睡眠を必要としている人が、6時間睡眠を続けていると、1週間で7時間の睡眠負債がたまります。
本人が睡眠不足の自覚がないのが、睡眠負債の怖いところ。仕事の生産性が低下するだけでなく、さまざまな病気のリスクが高まることもわかっています。番組では、実際に睡眠負債がたまっている認識がない人たちに、ある実験を行いました。
・金曜の夜に ・時間の手がかりのない部屋で (部屋は真っ暗、時計・スマホ・テレビなし) ・自然に目覚めるまで眠る
こうして普段の睡眠時間とのギャップをみると、普段の睡眠時間が6.5時間の人が10.5時間眠ったり、5.5時間→8時間、6時間→10時間など、大幅に増えた人たちが続出したのです。
最適な睡眠時間は年齢差や個人差もありますが、働き盛りの成人の多くは7~8時間です。(加齢とともに、もっと短くなる人もいます)これを現代社会で実現するには厳しい内容だっただけに、ネット上には、あきらめの声があふれました。
「睡眠負債なんて言われたって、物理的に5時間睡眠が限界」 「朝6時の電車でラッシュ状態なのだから、みんな睡眠不足なのも当然」 「ぶっちゃけ難易度高すぎ」 「いま過労死するような仕事環境だから、番組観てイライラしている」
私も番組を見ていて、これは個人の努力で解決できることではなく、社会を変えることが先決だと思いました。
今、私たちが生活している、この社会の仕組みは、これまで約2000年間続いた「うお座の時代」に構築されたものです。うお座時代は、物質性をマスターすることがテーマの一つだったので、モノを生産することで企業は売上を伸ばし、売上を伸ばせば伸ばすほど評価されました。つまりお金を儲けることが重要で、そのために私たちは睡眠時間を削って、必死に働いてきたのです。
でもよく考えてみてください。人生の大切な側面である睡眠を削ることで、私たちは本当の幸せを得たのでしょうか。睡眠負債は「うお座型社会の負債」といえるでしょう。
今、地球に入ってきているエネルギーは、格差社会を作った「パイシス(うお座)エネルギー」から、分かち合いがキーワードとなる「アクエリアス(みずがめ座)エネルギー」に、変わり始めています。
新しく入ってきたエネルギーに、殆どの人たちは内的反応しているのに、政治や経済や教育など社会の仕組みが、古いうお座型のままなので、今、私たちには葛藤があり、苦しいのです。
分かち合いを体現した「ベーシックインカム制度」が導入されたらどうでしょう。最低限度の生活ができる現金を国民一人一人に給付するという、世界的に注目されている政策構想です。 このアクエリアス時代にマッチした社会保障制度が実現すれば、仕事はお金を稼ぐ手段ではなくなり、自己表現の機会になります。ベーシックインカム支持者のホリエモンは、「自分がやりたい仕事を、お金を払ってする時代が来る」とさえ言っています。いい意味で、これまでの常識とはまったく違う社会に急速に変わっていくと、私も思っています。
ベーシックインカムによって労働意欲がなくなることを危惧する声も見受けられますが、逆にいえば、労働意欲が沸かない仕事は淘汰されていくでしょう。過剰なモノやサービスがなくなっていけば、環境問題の解決にもつながります。
物質的な豊かさを体験したうお座時代を経て、精神的な豊かさを磨くのがアクエリアス時代です。自分を大切にし、それと同じように人を思いやれるのが、精神的な豊かさではないでしょうか。そして、自分に心地いい選択をしていったら、睡眠負債は自然に解消され、睡眠の質そのものも変わっていくでしょう。
そんな社会が早く到来することを願いながら、まずはスマホをいじっている時間に目を閉じて、睡眠負債を少しずつ返済していきましょう。
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