アクエリアス時代の新しい眠り

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88. 絵本のチカラで癒しを (2016/03/01)

先日、NHK『サキどり↑』という番組で、絵本特集がありました。
タイトルは、【え!ほんと? スゴいぞ 絵本のチカラ】。


紹介されたのは、私が監訳した『おやすみ、ロジャー』と、
360度開くアートのような立体絵本、そして、大人のための
絵本の読み聞かせ“絵本セラピー?”の活動でした。


絵本セラピーには社会人の大人たちが参加していて、
絵本を聴いた感想をグループで分かち合っていました。
終わったあとのインタビューでは、参加者が感動している様子が
伝わってきて、私も興味を持ちました。


絵本セラピスト協会のHPによると、絵本セラピー?とは、
絵本の力を借りて、その人のありのままを自然に引き出す、
大人のための「ふれあいと気づきのワークショップ」とあります。


日頃、理論的・常識的な考え方を優先し、心で感じている
ことと外に表現する言葉が一致しない大人にとって、
絵本セラピー?は感情と表現が一致することの心地よさを
体験する事ができる場。


裏表のない自己表現体験を繰り返す事は、この上ない
癒しとなり、自らの気付きによって自分で解決に向かう、
カウンセリングの理想的プロセスと同様の効果が得られる
そうです。


昨日の新聞には、40代の女性から、こんな投書が
載っていました。


幼い頃、絵本を読んでもらった記憶がなく、絵本が一冊もない
環境で育ったという、その女性。絵本と出会ったのは
子どもが生まれてからといいます。


そして、ある時ふと、子どもに読んでいるときに、
まるで小さい頃の自分に読んでいるような錯覚に
陥ったそうです。絵本を読む自分の声に、自分が癒されて
いくような感覚だったとか。


その後、絵本セラピー?に出会い、絵本セラピストに
なったそうです。


絵本のチカラは、すごいですね!


冒頭の番組では、『おやすみ、ロジャー』を保育園の
園児たちに読み聞かせる実験も行われ、モニターを見ながら、
私が解説を加えていきました。


先生は事前に何度も練習してくださったそうで、
その優しい語り口に、子どもたちは次々に眠り始めます。


読み終わるまでに30分、その5分後には、
27名クラス全員が眠ってしまいました。


子どもたちは好奇心旺盛なので、初めてのお話は
最後まで興味をもって聞きたがります。
物語が全部終わったので、安心して眠りについたのでしょう。


『おやすみ、ロジャー』は、通常の絵本とは違って、
心理学的メソッドがちりばめられているため、その効果は
折り紙つき。


私も自信をもっていましたが、睡眠薬ではないので、
まさか全員が眠るとは思っていませんでした。


この結果には、保育園の先生も驚いていましたが、
読み聞かせるほうが気持ちを落ち着け、環境を整えて
読み聞かせを行えば、高い確率で眠りに落ちることが
実証されたといえます。


現在70万部を突破し、読者数が増えたため、ネガティブな
レビューも見かけるようになりました。


絵本は親子のコミュニケーションを楽しむものなのに、
『おやすみ、ロジャー』は大人が楽するためのもの。

くり返しの言葉ばかりで、つまらない。

怪しい催眠術みたい、などなど。


私は何度も読み返したり、テレビのインタビューに
答えているうちに、この絵本の神髄は、そんなちっぽけな
ものではないと気がつきました。


私たちは人生の中で、眠り方を教わることはありませんが、
『おやすみ、ロジャー』を聴いていると、眠り方を体の感覚で
覚えることができるのです。


頭の中の考えを箱の中に入れて、
ゆっくりゆっくり息をして、
手足の力を抜いて、
体が重くなって、
葉っぱが枝から落ちていくように、
落ちていく、落ちていく・・・。


子どもの頃に、この眠りに落ちていく感覚を体で覚えたら、
一生役に立ちます。


大人になって上手に眠れないあなたも、小さい頃の自分に
向かって読んでいるようなイメージで、眠り方を体験してみて
ください。


癒し効果もプラスされて、ぐっすり眠れることでしょう。


 ≫ 『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)