アクエリアス時代の新しい眠り

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43. 体内時計を暮らしに活かす (2012/06/01)

最近、“体内時計”という言葉が、当たり前に使われる ようになってきました。


社会が24時間活動型になったことによる、シフト勤務や 夜更かし、コンビニエンスストアの光による影響などで、 体内時計の調和が乱れ、眠れなくなったり、朝起きられない 人たちが増えています。


体内時計の乱れは、不眠の問題だけでなく、肥満や生活習慣病にも悪影響を及ぼすことがわかってきています。


体内時計は、体のほぼすべての臓器にありますが、マスタークロックと呼ばれるメインの時計は、脳の中の視交叉上核(しこうさじょうかく)というところにあります。


マスタークロックを正常に働かせるためには、朝起きたら太陽の光を浴びる必要があります。体内時計は約25時間周期で動いているので、明るい光(2500ルクス以上)を浴びて時計の針を前に進め、毎朝リセットすることが大切です。


朝起きたらカーテンを開けて、頭がスッキリするまで5~15分くらい、窓際で深呼吸をしたり、新聞を読んだりしましょう。外に散歩に行けたらベストです。


食の分野でも体内時計を活用した“時間栄養学”が話題になっています。 摂取カロリーや栄養素だけでなく、摂取時間を意識することで、生活習慣病予防やダイエットに活かそうという考え方です。


まず、太陽の光を浴びてマスタークロックをリセットし、起床後1時間以内に朝食をとるようにします。心臓や肝臓をはじめ全身にある末梢の時計遺伝子が、マスタークロックのリズムに同調し、効果的に一日のスタートを切ることができます。朝食を抜くと生体リズムが乱れ、代謝が低下して太りやすくなるので気をつけましょう。


マスタークロックの中には“ビーマル1”というタンパク質があり、この物質には脂肪合成を促す働きがあります。量が最も減るのは午後2~4時頃で、激増するのは夜10時~深夜2時頃にかけて。昼食はしっかりとっても脂肪になりにくいのですが、遅い時間の夕食は太りやすくなります。夕食は、夜8時までにすませましょう。


食事のコントロールが難しいシフトワーカーは、BMI(肥満度)が26以上になる確率が、昼勤の5倍以上にもなるそうです。(標準は22)遅くなってしまったときには、摂取カロリーを300kcalを目安に、低カロリーで満足感が得られるものをとりましょう。満腹を感じるまでに20分ほどかかりますから、よくかんでゆっくり食べることが大切です。


体内時計は約1日のリズムのほか、1週間、1か月、1年など、さまざまなリズムを刻んでいます。


1週間の中で最もエネルギー代謝量が高いのが水曜日で、低いのが月曜日。このことから単純にいえば、ごちそうを食べるなら水曜日を選び、月曜日は低カロリー食にすると、肥満を防ぐことができます。


また、ダイエットを始めるなら、春から夏にかけてが向いています。寒い時期は脂肪をため込もうとするので、失敗しやすいからです。女性の場合は、月経後から排卵期が痩せやすい時期にあたります。


食の分野以外にも活用法があります。


一日の中で頭脳の集中力や思考力が高まるのは、午前10~12時ごろ。会議やプレゼンに適した時間帯です。集中力が落ちる午後は、単純作業が向いています。


運動能力が高まるのは、遅めの午後。体温が最も高くなる、午後4~8時が運動に適しています。


体内時計を効果的に使って、メリハリのある生活と、健康な肉体と睡眠を目指していきましょう。