先月、仕事で中国に行ってきました。
上海市内を歩いていると、いたるところでシェアリング用の
自転車が目にとまります。
自転車のQRコードをスマホで読み取って、
支払いはアプリで済ませるそうで、通訳の女性は、
「私たちは自転車や洋服は買わない」と言っていました。
30代前半の彼女は、洋服も月額制の
レンタルサービスを利用しているそうです。
しかも彼女はその時、現金もクレジットカードも持っておらず、
支払いはすべてスマホで済ませていました。
1回だけ現金が必要なシーンがあったとき、
彼女は近くにいた若者に話しかけると、スマホをかざし、
自分の電子マネーを彼に送って、現金と交換していたのです!
その軽さと自由さに驚き、近い将来の経済社会のしくみを
垣間見た瞬間でした。
インターネットとスマホの普及によって急速に広がっているのが、
シェアリング(共有・分かち合い)サービスです。
総務省の定義はこうです。
「個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の
貸し出しを仲介するサービス」
一般社団法人シェアリングエコノミー協会による
<シェアリングサービスのジャンル>
1 移動…カーシェア・ライドシェア
2 空間…ホームシェア・駐車場・会議室
3 モノ…レンタルサービス・フリマ
4 スキル…家事代行・知識・料理・介護・育児
5 お金…クラウドファンディング
どれも聞いたことがありますよね。
シェアリングサービスの特長は、社会問題の解決にも
つながっていることです。たとえば、ライドシェアは
渋滞解消やCO2削減に貢献しています。
アクエリアス時代のキーワード「分かち合い」にマッチしている
シェアリングサービスは、急速に拡大していくでしょう。
そしてもう一つ、最近、私が感動した動画があります。
経済学者で慶応大学教授の井出英策氏の情熱的なスピーチです。https://youtu.be/SFbRMnt59WA
井出教授は、将来への不安を取り除けるような分かち合い
(現物給付のベーシックインカム)を提唱している方で、
動画の要点はこうです。
・共働きが増えたのに、世帯収入はこの20年間で2割減
・年収300万円以下世帯は34%、家計貯蓄率はほぼゼロ
・国民の9割は老後に不安を感じている
・現在の日本は弱者を見捨てる「格差放置社会」
・弱者に対する優しさが失われ、追い詰められた弱者が、
さらに弱い人たちを痛めつけ差別するのが、今の日本社会
・
・人間同士が分断され、生きることが苦痛と感じる社会を、
子どもたちに残すわけには絶対にいかない!
・経済を成長させて、所得を増やして、貯蓄で安心を生む
自己責任モデルは、もう破たんしている
・分かち合い、満たし合いの財政にしていく
・貧しい人だけでなく、あらゆる人々の生活を保障していく
・期待できない経済成長に依存するのではなく、
将来の不安を取り除ける、新しい社会モデルが必要
・不安に怯える国民が待ち望んでいるのは、このパラダイムシフト
・勇気ある一歩、発想の大転換が必要
別のインタビューでは、具体的な方策も示していて、
それは新時代にマッチした財政のシェアリングでした。
こうした動きが目に見えるようになってきて、
社会が大きく変わろうとしているのを実感します。
あらゆる人々の生活が保障されている社会、
切り捨てられる不安のない社会になれば、
私たちは自然体でいられ、ぐっすり眠れます。
大きな転換期の今に生きている光栄さを味わいながら、
そして、世界中の人たちの幸せを願いながら、
今夜も眠りにつきたいと思います。